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製作職社員のコラム

A.A.

手仕事と機械の共存。技術を身に付けた先の職人のありかたを考える。
開発製作課 開発技術 A.A.

仕事内容
開発製作課 開発技術という部署に所属しています。ハイジュエリーなどの高額商品や、舞妓の帯留めであるぽっちりなどの特殊商品の開発・製作を行うと同時に、これまでの知見や技術を応用して、新技術の開発や開発製作環境の発展のために取り組んでいます。
前職について
ジュエリーの専門学校を卒業したあと、東京にあるアトリエでジュエリー職人として働き、技術を身に付けました。そこでは、一点物といわれるオリジナルのオーダーメイドジュエリーの製作や、外資ブランドの加工・修理を担当していました。その後独立をし、同様にジュエリーの製作や加工・修理を手掛けていました。
前職での経験は、当社で新商品を開発する際に、作るという作業以外の考え方やプロセスの部分で役に立っていると感じています。
オーダーメイドジュエリーの製作経験からは、自分が作りたいジュエリーではなく、お客様に好んでいただけるジュエリーを作るために何ができるかという、宝飾と製作のあり方に対する考え方を学びました。
また、様々なブランド・価格帯・アイテムの加工・修理経験からは、そのジュエリーがブランドの中でどの位置に存在しているのか、また、そのブランドが魅力的に見えるのはそれらのジュエリーがどのようなバランスで展開され、世界観が築き上げられているのかなど、宝飾品全体について俯瞰的・客観的に把握する視点が身に付きました。
仕事をしていて嬉しい瞬間
開発業務の中には、金属で模型を作ることで商品に求められる要件・要素の検討や確認をおこなう工程があります。
デザイン画は商品としてのイメージの要素が強く、技術者はそれを基に物理的な手法で具現化しなければ、その商品を形にすることはできません。ジュエリーは身に着ける物ですから、デザインや形そのものだけでなく身に付けたときの「動き」や「感触」などの、人の感覚的なフィードバックも大切です。
これらは職人が形にしなければ分からない部分であり、なおかつデザイン画では表せない繊細な部分であるため、デザインの持つイメージから、身に付けたときにどのようであるべきかを考えながら製作していきます。その結果出来上がった模型がデザイナーの意図する商品像とフィットし、良いフィードバックを得られるジュエリーとして実現できたときや、それにより開発業務の全体に貢献できるときには大きな充実感を覚えます。

成長を感じること
ここ最近ではジュエリー製作者としての技術のみならず、より良いと思える品質や表現方法・手法を見出すため、様々な技術分野の知見を集めています。その結果、当社が求める高い品質を実現できていることや、それらの取り組みが開発に携わる社員全体に広がっていることに、個だけでなく集団としても成長を感じます。
このことは、高い品質を実現するためには、関連分野も含めて積極的に勉強を行うという共通認識が部署内にあるからこそ体感できる成長だと思います。
また、仕事をする上で気を付けていることとしては、職人としての危機感を常に持つということです。技術は一回身に付けてしまうと持っているのが当たり前になるので、職人としてあまり売りにはできなくなります。
そのため、技術を習得している人しかアプローチできないその先を目標にしておかないと、先には進めないのではないかなと思っています。その意味で、危機感を持って取り組むようにしています。
俄のジュエリーの魅力
俄のジュエリーの魅力は、「意思」を反映したデザインだと思います。開発を行う際、まずデザインが生まれて、そこから形を作っていきます。一般的に、商品のデザインは様々な特徴によって構成されていますが、開発する工程で、商品の構造上の制約から、その特徴がやむを得ずカットされることがあります。
しかし当社の商品は、デザインを構成する特徴だけでなく、デザイナーが表現したい世界観、空気感、雰囲気すべてを商品に詰められるよう製作していきます。つまり、それらすべてを表現できるものでなければ、それは当社のジュエリーとして成立しないという考え方です。従って、当社のデザインは、それをジュエリーとして成立させられる技術と技法があるからこそ実現できるものだと思っています。
完成したジュエリーが持つ、デザインの「意思」がすみずみまで行き届いた、他にない凝縮感と存在感が当社のジュエリーの魅力だと考えています。
俄の製作技術で優れていると思うこと
技術をただやみくもに使うのではなく、技術を繊細に扱って製作していると思います。環境としては、CADを使用したラピッド・プロトタイピングの手法を複数台の3Dプリンタの使い分けによっておこなったり、微細な加工や石留めを可能にするステレオ・マイクロスコープの設備が整っています。
その一方で、CADで作成した精緻なデータや構造物を作り上げるための製作者の技術力が求められます。
たとえば、データでは作れるけれど、職人が実際の商品を作れないということが無いように、環境が良くなっていくのに合わせて職人の技術力も向上させて、機械も人も相乗的に発展していけるための取り組みが重要です。
入社して驚いたこと
社内環境の発展・成長に対する意識が高いことです。
ジュエリー製作技術の良し悪しは職人への依存度が強いというイメージを持たれがちですが、デジタル環境の発展がもたらすメリットが、ジュエリー製作の世界でも大きくなっています。しかし、ジュエリーの価値を向上させることが目的ならば、製作者の技術もデジタル環境も共に賞賛されるものであると考えています。
人の手の感覚が求められる領域や、反対に機械・機材の特性が優位に立つ領域は、共存することでジュエリーに高い付加価値を与えるからです。特にデジタル環境の発展は、人の技術習得スピードの比になりません。そのため、デジタル環境を活用する為には、人の努力と理解度が重要になってきます。
俄では将来的な開発・製造環境を視野に入れ、人材の技術習熟を目指し、発展的な環境の構築を常に行い、またそれらを開発の基盤としています。

これから就職活動をする方へのメッセージ
自身の経験からいうと、製作職に関しては社会に出て、実績を残せる作業をして初めて製作者として自分の価値を作り出せたように感じます。
就職をするというよりも、就職した後にモチベーションを高く持ってどこまで自分を成長させられるかが大切だと思いますので、製作の職人を目指すのであれば、社会の中で自分の価値をどうやって生み出すかをしっかりと見据えて活動してほしいです。
これまでの環境や実績は経歴として事実なので変えられませんが、そんな今現在の「自分」が将来の「自分」に責任を持って選考等でアピールできるよう、精一杯の活動をして欲しいと思います。